プリンタの選択の際に少なからず迷ってしまうのがインクの"種類"かもしれない。
えっ、種類なんてあったの?という方もおられることだろう。
そういう方はまだ平和だ。印刷の画質や品質に困っていないからだ。
しかし、インクジェットプリンタで印刷すると場合によっては期待通りに印刷できず「おかしいな...」
ということになる。
それはプリンタの性能というよりもインクの質に影響する場合が多い。
インクジェットプリンタのカートリッジは2種類ある。それで以下に"染料系"と呼ばれるインクと"顔料系"と呼ばれるインクの違いをまとめてみよう。
*染料系*
"染料"とあるとおり紙面を"染める"ことで透明感のある画を表現できるインクです。紙に染み込むという性質上、十分乾燥してから保存しなければならず、紙が薄いと波打つ場合もあります。保存期間も顔料系と比べて短く、色あせしやすいのが難点です。
*顔料系*
"顔料"とは、サラサラした染料のようなインクではなく、もっと粒子の粗い、例えるなら水彩よりも油絵の性質に近い特徴を持ちます。それゆえ、溶剤と完全に混ざり合ってはいないために、紙の表面に"着地"すると、あまり染み込まずに固体の部分はそのまま固まります。一般に発色が良く、にじみにくい、日持ちするといわれます。しかし、発色が良いということは元の画にかかわらず、乾くとどぎつい色合いになっている場合があり、表現力は染料系にはかないません。
以上が相違点となる。ではどのプリンタメーカーがいいのか...ということになる。2大メーカーを例に挙げると基本EPSONは顔料系が主体、Canonは染料系が得意分野だ。しかしどちらも顔料と染料の性質を精緻に吟味して、メーカー色を出しながら自然な色合いとなるようにうまく組み合わせて使っている。あとは各社が出す特色を自分で吟味して、自分のフィーリングに合ったプリンタを選んでいただきたい。